やる気が出ない、おっくうだ、めんどくさい、など感じる場合は適応障害、パーソナリティ障害、うつ病、不眠症、認知症、などが考えられます。うつ病では仕事や勉強、家事のみならず、趣味などの自分が好きなことに対してもやる気がなくなる場合が多いです。双極性障害のうつ状態、統合失調症など他の病気でも意欲低下は認められます。
適応障害やパーソナリティ障害においても意欲低下は認められますが、うつ病などと違い趣味など自分の好きなことは出来る場合が多いです。
治療としては、まず診断をはっきりさせ、適切な投薬、休養等を行うことが必要となります。
適応障害
適応障害とはストレスが原因でイライラする、気分が落ちこむ、やる気が無くなる、不安でドキドキする、眠れなくなるなど様々な症状が出る病気です。会社に行こうとするとお腹の調子が悪くなったり、頭痛が起こってしまったり、腰や背中が痛くなるというように体調不良として現れることもあります。
適応障害の治療
適応障害は適切な治療を行えば治る可能性が高い病気です。ストレスの原因を突き止め、その原因となっているストレスを軽減する、適応しやすい環境に整えることや、場合によっては休職や休学をしてしっかり休養することで、心のエネルギーを回復することが必要です。
自らのストレスを認め、バランスのよい食事と十分な睡眠をとることが大切です。ストレスに立ち向かおうとするよりは、気分転換をしたほうがよいケースが多いです。
- 薬物療法
- 適応障害そのものを治す薬物は特にありませんが、症状を和らげるために薬物療法が必要な場合もあります。それぞれの病状に応じて、不安には抗不安薬、不眠には睡眠薬などを使用します。
- 環境調整による療法
- 適応障害の原因として多い様々なストレスが残ったままでは病状の改善は期待できなかったり再発しやすかったりする可能性があります。そのため、ご本人のストレスを減らせるように現実的な環境調整を行うことが大事です。
- 精神療法
- 精神療法は、適応障害において有効な治療手段です。カウンセリングを受けることで混乱した心の整理をしたり、心理的な援助により社会に適応できるようにすることも大切です。治療しなくても自然治癒すると考えられがちですが、同様のストレスに置かれた人が同様の症状を呈するわけではなく、治療を必要とする患者様も多く存在します。
パーソナリティー障害
パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される病気です。認知(ものの捉え方や考え方)や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるものです。注意したいのは、「性格が悪いこと」を意味するものではないということです。
パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。パーソナリティ障害と合併したほかの精神疾患が前面に出ることが多いので、パーソナリティ障害は背後から悪影響を及ぼす黒幕のような病気だということができます。
パーソナリティーの治療
治療は、障害のタイプ、重症度、患者様の生活スタイルなどに応じて行われます。患者様と医師の一対一で完結するものではなく、周囲のサポートや、心理士・ソーシャルワーカーなどの介入も有効です。
代表的な治療方法は、精神療法や心理療法です。感情、考え方、行動の仕方について学ぶことを通して、病気によって起こる問題への対処方法を身につけます。個別に行われることもあれば、同じ境遇にある方が集まって行われることもあります。
また、症状の現れ方やタイプによって薬物療法が検討されます。医療保険で認められているパーソナリティ障害の薬はありませんが、実際に使用される薬には抗精神病薬などがあります。抗不安薬は自殺企図などに用いられる恐れがあり、抗うつ薬は情動を不安定にする恐れがあるため、投与は必要最小限にとどめられます。